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いくつになっても、駄菓子が好きだ!/あまのや繁田商店

いくつになっても、駄菓子が好きだ!/あまのや繁田商店

駄菓子屋さんを見つけるといつも足を止めてしまう、WOMOきっての甘いもの&駄菓子好きスタッフ2名がお菓子問屋『あまのや繁田商店』を訪れ、大人にとっては”再発見”となる駄菓子の魅力やおすすめの駄菓子などを、4代目店主 繁田(しげた)さんに伺った。

駄菓子のあたたかさと文化をつなぐ『あまのや繁田商店』

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おでかけ先でこの看板を見かけたことはあるだろうか。

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まちのお菓子問屋『あまのや繁田商店』は、昭和元年創業。店名にある『あまのや』は、創業者である天野てつ氏の名前が由来だ。伝馬町本店をはじめ、呉服町店や県内のショッピングモールにも出店し、多くの人たちに愛されている。

今日は『あまのや繁田商店』呉服町店に、WOMOきっての甘いもの&駄菓子好きスタッフ2名が訪れた。

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左が「わか」、右が「あゆ」

店内には多くの駄菓子がずらりと並べられており、2人の目がキラキラ輝く。

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棚の上から下までじっくりと見ながら歩くと、「あ〜これ昔好きだったなぁ!」と幼き頃のワクワクとした感情がよみがえり、自然と笑顔に。

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「こんにちは、いらっしゃい!」と出迎えてくれたのは、4代目店主の繁田さん。

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「繁田さんこんにちは!今日は、『あまのや繁田商店』さんについてと、繁田さん目線での駄菓子の魅力についてお聞きしたくて、駄菓子好きの2人でお伺いしました」

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「WOMOの駄菓子好き代表、『わか』です!今日はよろしくお願いします!」

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「2人とも駄菓子がお好きなんですね!ぜひ、なんでも聞いてください。よろしくお願いします!」

『あまのや繁田商店』で買える!繁田さんおすすめのお菓子

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「店内に置いてある駄菓子やお菓子の中で、繁田さんおすすめのものはどれですか?」

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「僕がおすすめするのは『おふくろ』。これは、“最強の半生菓子”と言っても過言ではありませんね。とても大切にしている商品のひとつです。作っているのは、愛知県の『豊製菓』さん。高齢のご夫婦で、この『おふくろ』だけをずっと作り続けているんですよ」

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「『おふくろ』っていうネーミングもまたいいですね」

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「どんなお菓子かというと、あんこを寒天で固めてまわりを砂糖でコーティングした、とってもシンプルなもの。その上品な味わいから、旅館のお茶菓子としても採用されているんですよ。いまご説明しただけで『どんな味かな?どんな食感かな?』って想像されたと思うんですが、その3倍はうまいと思ってください(笑)」

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「それは気になりますね(笑)…絶対このあと買って帰ろっと」

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サクッとした砂糖のコーティング、しっとりとしたあんこの口当たり。この食感、この大きさや形、この甘みだからこそ感じられる、シンプルな美味しさだ

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「でも、これもいつかは食べられなくなる日が来るかもしれません。多くのお菓子はいま絶滅の危機に直面していて、毎年廃番のニュースが流れていますよね。『おふくろ』も、少し前までは個包装に『おふくろ』の文字があしらわれていましたが、今やそれもなくなってしまいました。僕は、それが『おふくろ』自体がなくなってしまう前兆なんじゃないかって思っているんです」

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「どのお菓子も、いつまでもあるわけではない。いま味わっておかないと、また食べたいと思った頃には廃番になってしまっているかもしれないんですね。ハッとさせられました」

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「ちなみにおふたりは、菓子盆を知っていますか?昔はよく『ただいま〜』と家に帰ってきたら、ちゃぶ台の上のお盆に入っているお菓子をつまみながらテレビを見たりしていました。でも…今や失われつつあるカルチャーに。何としても復活させたいと思っているんですが、『おふくろ』はまさに、お盆に入るべき素晴らしいお菓子なんです」

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「『おふくろ』デビューと同時にうちにも菓子盆カルチャー取り入れてみようかな」

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「それなら、もうひとつおすすめが!同じく菓子盆に入れたい『サラバンド』というお菓子です。砂糖や小麦粉、鶏卵など、材料はいたってシンプル。でも、製菓に通じている友人が原材料を見て、『なんでこの材料でこの味が出せるの!?どんなテクニック!?』と驚くほどうまい。そして、何でこんなにうまいのかが僕にもわからんのですよ(笑)」

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ザクッとしたウエハースの食感と香ばしさ、挟まれたクリームのバランスが抜群だ

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「なるほど、ロングセラーの秘訣は、シンプルを追求した末のおいしさなのかもしれませんね。“3拍子のスペインの優雅な踊り(サラバンド)をホワイトクリームと生地で表しました。”という商品キャッチコピーも、可憐で素敵!」

静岡ならではの駄菓子をご紹介

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「静岡に縁のある駄菓子もあるんですか?」

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「ありますよ!まず紹介したいのは『さくら棒』かな。“ふがし”と言うと全国の人が『ああ〜!あれね〜』って言うんですが、さくら色のものは静岡ならではなんですよ」

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「今ではいくつもの菓子会社がさくら棒を作っていて、うちに置いてあるだけでもこんなにたくさんの種類が。作り方はシンプルで、原料のグルテンに小麦粉を練って、伸ばして焼くことでさくら棒ができるんです。黒砂糖を使ったふがしもおいしいですが、さくら棒はより軽い食感と素材の味を感じられる、菓子会社のこだわりが光るお菓子だと思います」

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「静岡に住んでいるけど、意外と食べたことがない人もいそうですね。いち駄菓子好きとして、さくら棒の文化も残していきたいな!」

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「そして、もうひとつ紹介したいのは『動物ヨーチ』。名前を聞いたことがある人や、幼い頃に食べたことがある人も多いと思います」

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「色とりどりの砂糖のアイシングが、ほんのり甘くておいしいですよね!」

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「実は静岡の一部地域で、節分に豆と『動物ヨーチ』をまく風習があるって知っていましたか?」

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「えっ!知りませんでした!」

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「なぜまくようになったかは諸説あるのですが、昔からある幼稚園のかたに聞いたところによると…豆以外にもっと彩りのあるものを、せっかくなら子どもが喜んで食べられる甘いものにしよう!という想いからだったとか。割れやすいものや手が汚れるものは向かないですし、気軽に手に入る『動物ヨーチ』はぴったりだったんですね」

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「今でも静岡にはその風習が残っているんですか?」

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「ある幼稚園や神社では節分になると今でも『動物ヨーチ』をまいていますよ。静岡に『動物ヨーチ』をつくっている会社はないのに、なぜか通年売れていて、特に節分の時期に売上が伸びる“謎”の正体はこの風習だったんです(笑)」

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「へえ〜〜〜!!」

繁田さんのこれまでと『あまのや繁田商店』のこれから

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「繁田さんが、駄菓子屋を継ごうと思ったきっかけは何ですか?」

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「サラリーマンをやるよりも儲かるんじゃないかってね(笑)。駄菓子のエネルギッシュな魅力に惹かれたんです。もともとは、フリーペーパーのライターと撮影と編集とデザインをやっていたんですよ」

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「すごい!もはや全部じゃないですか!(笑)その経験は、今の仕事にも活きることがありますか?」

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「ありますね。この店内のつくりも、雑誌の構成と似ていて。最初に特集記事があって、メイン記事があって、時にコラボしてみたり、番外編の巻末コラムがあったり…。商品の並べ方は、そういう流れをとても意識しています。情報の整理をして伝えるというのはデザインに通ずるものがありますね」

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「あらためて、繁田さん目線での“駄菓子の魅力”もお聞きしたいです!」

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「“やっちゃいけない事をやっていい”ところですね。駄菓子って、お菓子とおもちゃのちょうど間に存在するワクワクするものなんです。歯ブラシの形をしたお菓子にチョコを塗ってベロベロ〜〜!スタンプの形をしたお菓子をその辺にペタペタ!『食べ物で遊んじゃダメ』っていくら言われようが、駄菓子ならそれをやっていい」

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「大人だって…遊びたいもん…!」

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「おおいにOK!いろんな会社がものを売るために、細かくターゲットを設定しますよね。そんなものは、うちにはない。老若男女、全員がお客さんです!」

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「これからの『あまのや繁田商店』としての展望はありますか?」

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「“懐かしい”からの脱却をしていきたいですね。もちろん“懐かしい”ことはすごく魅力的なんです。それゆえ、駄菓子屋として今までそこから抜け出せなかった。新しく作るものをレトロに寄せることって、僕は正しいとは思わないんです。そこには今の時代の新しい世界観があるべき。今の10代の子が20代、30代になった時にも、ほんとうの意味で“懐かしい”と思える場所や体験を作りたいですね」

「あまのや繁田商店」とWOMOスタッフの「大好きな駄菓子とそのエピソード

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「あまのや繁田商店」スタッフ池田さんが選んだのは…『花串カステラ』

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「花串カステラは、僕と僕の彼女が好きな駄菓子で。これを買って、バイト中にたまに遊びに来てくれる彼女と2人で、青葉通りのベンチで分けっこしながらゆっくり過ごすのが好きなんです…(照)」

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「……きゅん♡」

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「5本入りなんですが、いつも彼女が3本で、僕が2本。多めに分けてあげたくて」

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「やさしい…!ちなみに池田さんは、駄菓子の魅力って何だと思いますか?」

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「世代によって感じる魅力が変わるところですかね。小さい子にとっては、安くて気軽に買えるし、1粒からバラ売りしているお菓子やたくさん入っているものまで、自由に選んで買う経験ができる。そして大人になると、それが懐かしいものになる。年齢が上がっていくにつれて、見方や感じ方が変わっていくのが面白いと思います」

WOMOスタッフ「あゆ」が選んだのは…『どんどん焼き』

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「『どんどん焼き』は、駄菓子屋さんに行くと必ず買っちゃいますね。幼い頃に縁日や地域の行事でもらったお菓子袋によく入っていて…。当時はチョコレート菓子などに比べて“サブキャラ”に近かった『どんどん焼き』ですが、大人になるにつれ、その程よい塩気と香ばしさに徐々に惹かれていきました。おつまみにもピッタリなんです!」

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繁田さんも『どんどん焼き』が好きでよく食べるのだそう

WOMOスタッフ「わか」が選んだのは…『ブタメン』

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「僕、小さい頃から『ブタメン』が大好きで、友達と近所の駄菓子屋に行くと必ず一緒に食べていたんです。でもその時はおこづかいで買わなきゃいけなかったから、いつもひとつだけ。社会人になって、ブタメンをたくさん買えるようになった時は、感動でしたね(笑)。『僕も大人になったんだなぁ…』って思った瞬間でした」

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ブタメンをたくさん抱えて、満足そうなスタッフ「わか」

WOMO読者にも聞いてみた!「大好きな駄菓子とそのエピソード」

最後に、Instagramストーリーズで募集した、WOMO読者の大好きな駄菓子とそのエピソードをご紹介!

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『あまのや繁田商店』が発信する駄菓子愛をチェックしてみよう!

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更新日:2024/4/1

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