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大切なものを次世代につなぐために〜ななめぐりプロジェクト〜

大切なものを次世代につなぐために〜ななめぐりプロジェクト〜

静岡県島田市にて「次世代につなげたい大切なことが絶えることなく、何度も世代を渡ってめぐる」という想いを込めて活動している“ななめぐりプロジェクト”。立ち上げたのは、島田市在中の二人のお母さん(町 紗耶香・提坂 弥生)。立ち上げメンバーのひとりである町 紗耶香さんに、立ち上げた理由や想い、活動内容、12月18日(土)に発売した商品をご紹介いただいた。

ななめぐりプロジェクト

育児に奮闘して見えた未来

「子どもたちが自分の力で、生き生きと人生を歩めるようになるにはどうしたらいいんだろう」。
初めての妊娠、初めての子育て、初めての保育園・幼稚園生活。子どもを持つということは、今まで生きてきた人生においてまったく想像のしない世界に入ることだった。

子どもが生まれたら、当たり前のように世間は「母」として見てくる。けれど、その当事者である「母になる前の自分」は、母親の経験などまったくないので、自分の母親であったり、ドラマの母親像であったりの理想を追い求めて四苦八苦する。「ちゃんと子育てできているのかな」「ちゃんとした母親でありたい」、理想像に届かない自分に嘆いたり、想い悩むことは一度や二度ではないと思う。

「ちゃんとした子育て」とはなんなのだろう。
「ちゃんとごはんを食べさせる」「ちゃんと人と仲良くなれるようにする」「ちゃんと勉強をさせて賢くなるように育てる」、初めはそれが正解だと思って子どもに接していたが、まったくもって子どもには親の想いは響かない。

「なぜなんだろう」と考えた時、私の思う「常識」と、純粋無垢な子どもたちの「想い」というのはかけ離れているんだと、それに気がついたときは愕然とした。子どもたちはただただ「母が、自分らしくいてくれる」ときに一番笑顔を向けてくれるのだ。

「ななめぐりプロジェクト」で稲刈りを手伝う子どもの画像

子どもに憧れられる大人になる決意

子育てに試行錯誤した結果、たどり着いた答えが「子どもに憧れてもらえるようになる人間になろう」という決意だった。
生まれたばかりの子どもたちも、20年も経てば私たちと同じ大人になる。親の思う安全な世界にいてほしいと願うが、幼少期のような手助けをし続けることはできない。もどかしいけれど、子どもたち自身の力で道を切り開いていかないといけない。
その力をつけさせるために親ができることは、「かっこいい背中」を見せていくことしかないんだと、覚悟を決めた。それが“ななめぐりプロジェクト”を始めようと思った真ん中の想いだ。

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自宅料理教室や調味料講座などを通して母の手料理をつなげていく『提坂研究所』も運営する提坂弥生さん

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「森あそびのまなび場」にて、子どもたちに里山遊びなどの活動も行っている

世の中には「かっこいい大人」がたくさんいる。自分の信念を貫いて、不安や葛藤を乗り越えて一歩ずつ進んでいる人たちだ。親だけではなく、子どもたちの周りにたくさんの「かっこいい大人」がいることは、きっと子どもたちの未来の大きな希望になると思った。

食の大切さ・伝統をつなげたい

今回出来上がった商品の圧搾一番搾り菜種油「菜々めぐり」と日本酒「田の」は、島田市東光寺にある「そのだ農園」が生産・販売を担う。
食の安全が叫ばれだした40年ほど前に、世間の目が厳しい中で有機農家を貫いた。有機栽培の農業は、より天候や自然に左右されて安定的な収穫を目指すのが難しい。そんななか、「消費者に安全な食を届けたい」と、毎日毎月毎年と地道に農業と向き合い続けてきた園田さんに私たちは感動した。

特に、母となり「食べることは生きること」「食の大切さ」を痛感していたから尚更だ。そのだ農園さんの素晴らしさを子どもたちや世の中に伝えたいと、心の底から思った。そんななかでたどり着いたのがこの商品の共同開発だ。

「ステキだと思う人の想いをカタチにして、世に届けたい」と、“ななめぐりプロジェクト”の第一弾・第二弾として出来上がった。

「ななめぐりプロジェクト」で収穫された菜種の画像

一歩を踏み出し、商品を完成

私たちが叶えたい理想は、体によい食が伝わり続けること、地域の循環が途絶えず続くこと、伝統や文化がつながっていくこと。その理想を叶えるために私たちのできることは、「こういうことをしたい!」と宣言して、一歩を踏み出すことだけだった。
農業生産の技術もなければ、醸造する腕もなければ、よいプロダクト製品を作る技もない。できることは「ステキな大人がいること、ステキなものがあること、ステキな世界があること」を伝えるだけだ。

普段ふと目にしているものも、じっくりと眺めたらその後ろには何人もの想いが積み重ねられている。
楽しく飲んでいるお酒には、何百年も前から継承されてきた技術がある。食卓に並ぶ日々の食事には、根っこの部分に想いを込めて作ってくれた農家さんがいる。家庭の中でも出来上がったごはんには「家族がおいしいって言ってくれるかな」のお母さんの想いが込められている。
そんな積み重ねられた想いを、これからも“ななめぐりプロジェクト”を通して伝えていきたい。

「ななめぐりプロジェクト」で栽培した菜の花の画像

島田市岸町にて。春の菜の花畑に、多くの人が見に訪れた。油を絞ったあとの油かすは畑の肥料になる

「ななめぐりプロジェクト」で生産された菜種油「菜々めぐり」の画像
農作業をする「ななめぐりプロジェクト」のメンバーの画像

圧搾一番搾り菜種油『菜々めぐり』は、島田市岸町の田んぼに種を撒くところからスタート。そのだ農園の園田巳義さんと一緒に

「ななめぐりプロジェクト」で生産された日本酒「田の」の画像

日本酒『田の』の米は、親子で手植えをした無農薬・無化学肥料で育てたコシヒカリ。室町時代からの造り「菩提もと」で丁寧に醸す。藤枝市の杉井酒造に製造委託

「ななめぐりプロジェクト」で使用する米を植える子どもと大人の画像

子どもと大人が一緒に遊んで学ぶ『森あそびのまなび場』で毎年開催している田植え体験のコシヒカリを使用

『森あそびのまなび場』の詳細はこちら

「ななめぐりプロジェクト」で生産された菜種油「菜々めぐり」の使用済みボトルを一輪挿しとして活用した画像

油の光酸化を防止するために陶器のボトルを採用。ボトルは愛知県常滑市の老舗窯元 山源陶苑『TOKONAME STORE』による。使用後は一輪挿しやドレッシングボトルに

『TOKONAME STORE』の詳細はこちら

ななめぐりプロジェクト

日本酒『田の』
菜種油『菜々めぐり』
お問い合わせ:
TEL:090-4445-9154(提坂)
e-mail:100yearsforest@gmail.com
Instagram:@7meguri_project

販売はこちら(そのだ農園webサイト)

更新日:2021/12/27

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