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【第63回】韓国のドラマ賞を独占!『椿の花咲く頃』

Netflixなしではもう生きられない

筆者:こしあん
映画・海外ドラマ、Bリーグ、読書、お笑い、カメが大好き。
特技はイントロクイズ(80年・90年代ソング限定)。
怖がりのくせにホラーとミステリーが大好きで、生まれ変わったらFBI捜査官になりたい。
休日にどれだけ家にこもっていてもまったく苦にならない超インドア派。
ゆる~い解説で好きな映画(ときどきドラマ)を紹介していきます。

Netflix(ネットフリックス)で配信中の韓国ドラマ『椿の花咲く頃』(2019年)

『梨泰院クラス』を観てから、どっぷり韓国ドラマ沼にハマっています。
この『椿の花咲く頃』は、韓国のテレビ・映画の最大賞といわれる「百想芸術大賞(ペクサンアワード)」で、あの『愛の不時着』や『梨泰院クラス』をおさえて、テレビドラマ部門大賞・脚本賞を受賞、主演のカン・ハヌルは男性最優秀演技賞を受賞。
「ソウルドラマアワード」では、女性演技賞・脚本賞・韓流ドラマ最優秀作品賞・韓流ドラマ俳優賞・韓流ドラマ主題歌賞の5冠を達成。

えっ? 本当に? そんなに面白いの? と半信半疑で見始めたら……
スゴイ、スゴイよ!
最高すぎる。韓国ドラマ、本当にヤベー!!

▼予告編はコチラ


う~ん、予告編もあらすじも、全然このドラマの面白さが伝わらない……。
これじゃぁ、観る気が起きん!
こんなもんじゃないんで、ホント、騙されたと思って観てほしい。

『椿の花咲く頃』は人情味あふれる庶民たちの人生賛歌。

財閥のドロドロも、身分違いの恋も、記憶喪失も、禁断の愛も、多重人格も、亡くなった婚約者にそっくりな人も、北朝鮮への不時着も、土下座も復讐もない。
地味ぃーーーな田舎町の話。

だからこそ、すっっっごく共感できるし、なぜか自分の過去の苦労が報われたような気持ちになる。

人生の喜怒哀楽から良い旨みがたっぷり出て、奥深い味わいに仕上がったポトフみたいに、じんわりほっこり沁みてくる余韻。

いろんな親子、いろんな夫婦、いろんな友情、いろんな隣人。
それぞれのめんどくささとあたたかさ、複雑で深い愛と思いやりが描かれていました。

コミカルで笑えて楽しい気持ちになって、いろんな要素を詰め込んでるのに取っ散らからずにバランス抜群って、こんなドラマあります!?

主人公ドンベクと母親とのエピソードは、毎回ハッとさせられたし、むちゃくちゃ泣かされた。この母親役は映画『パラサイト 半地下の家族』の家政婦役の人なんだけど、味のある芝居が本当に素晴らしくて!
あと、ヒャンミの話も好きだし、ギュテ&ジャヨン夫婦の話も好き。
そんな感じで、主人公二人だけではなく、まわりの人達のエピソードもとても丁寧に描かれているのが素晴らしい。
自分の人生と重ねながら、いろんなことを考えさせられました。

自己肯定感の低かったドンベクが、ヨンシクと出会ったことで、少しずつ変わっていくところがいいですね。
なぜか私も一緒に励まされているような気持ちに。
もっと自信を持っていいんだ、もっと自分を好きになっていいんだと。

ただ「愛してる」というだけのたいして心に響かない表面的なセリフではなく、その時に自分が言ってほしい言葉+それをはるかに上回る予想外の励まし、心をラクにしてくれる言葉、ハッと目を覚ましてくれる問いかけ。
そんな魔法のようなセリフの数々が、観ている者の心も救ってくれる。

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そしてこのドラマのスゴいところは、連続殺人というミステリー・サスペンス要素が絡み、それが少しずつ明かされていき、ちゃんと最後までハラハラしっぱなしってこと!
その真相にも何も無理がなく、犯人を予想するのが楽しかったですね。
犯人が殺人現場に残すメッセージ「ふざけるな……」が、いま我が家ではブームです…笑

カメラワークも凝っていてキレイだし、舞台となる小さな田舎町の素朴で懐かしい雰囲気も好き。

伏線の散りばめ方も完璧。終盤のメッセージも完璧。
ものすごく心が満たされました。

全20話もあるので躊躇してしまう人も多いかもしれませんが、最終回を迎える頃には、生涯忘れることのない心あたたまるクリスマスギフトをもらったような気分になるはず。
それほどに、『椿の花咲く頃』は最終回が素晴らしかった!
庶民たちが小さな力を合わせて、そこそこの奇跡を起こします。
何もできないと思っていた自分でも、誰かの奇跡になりうる。誰かを救うことができる。多くの苦難を乗り越えて生きてきた一人ひとりが、強くてタフな存在なのだと教えてくれます。

今から1日1話ずつ観ていけば、クリスマスに間に合いますよ♪

ヨンシクを演じたカン・ハヌルの素朴な笑顔に心から癒されます。カン・ハヌルは、真っ直ぐで明るくてお人好し、でもアツいハートを持っている正義のミカタのような男が似合いますね。
この人のことは信用できる。ありのままの自分を見せても大丈夫。そうやって、相手を安心させることができる笑顔。

パク・ソジュンとはまた違った魅力がありますね~。

Netflix『椿の花咲く頃』

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