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【第58回】この池松壮亮が好き! 厳選8作品[その1]

好きすぎて選びきれないので8作品を2回に分けます……[その1]では、2008年~2017年公開作品から4作品をご紹介!

筆者:こしあん
映画・海外ドラマ、Bリーグ、読書、お笑い、カメが大好き。
特技はイントロクイズ(80年・90年代ソング限定)。
怖がりのくせにホラーとミステリーが大好きで、生まれ変わったらFBI捜査官になりたい。
休日にどれだけ家にこもっていてもまったく苦にならない超インドア派。
ゆる~い解説で好きな映画を紹介していきます。

『DIVE!! ダイブ』(2008年)

林遣都と池松壮亮、ワタクシ的殿堂入りツートップ二人の共演なのに、つい最近まで観たことがなかったのですが、それはなぜかというと……恥ずかしいからです!
だって水泳の飛び込み競技の話なんだもん。ビキニパンツですもん。

しかし、コロナで不安だらけの毎日のなかで、少しでも潤いと癒しがほしくて、とうとう封印を解いてしまいました。

いやあぁぁぁ、観てよかった!
正直、映画としての好みでは70点くらいの内容ですが、まだティーンエイジャーだった頃の初々しい二人がさぁ、共演してるってだけでさぁ、もう胸がいっぱいなの。
誰かが頑張っている姿が、誰かを勇気づけるっていいですね。私も触発されて、ちょっとスクワットとかやってしまいました……笑


池松くん、この歳ですでにもう雰囲気バツグン。スゴいわ、やっぱり。レモンイエローの海パン、似合いすぎ。

林遣都、キラキラと澄んだ瞳に吸い込まれそうでした。まさに【ダイヤモンドの瞳】。

これは作品としてどうこうより、この二人のキャスティングが神です。プライベートでも仲が良いというこの二人の関係、ホント好き。

お互いに俳優として素晴らしく成長し、一番ノッている今、ぜひぜひまた共演してほしい!
中学の同級生だった二人が15年後、心に傷を抱えたエリート検事(林遣都)VSミステリアスな殺人犯(池松壮亮)として再会する、みたいなサイコ・サスペンスなんてどうでしょう?

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『ぼくたちの家族』(2014年)

何でも一人で背負い込んでしまう生真面目な長男役の妻夫木聡、軽薄そうに見えて実は繊細な次男役の池松壮亮。この二人の大げさじゃない自然な演技が素晴らしい!
池松くんの映画にハズレなし! っていうか、池松くんの演技が作品の価値を押し上げる。

兄弟二人のキャラクターの対比が秀逸で、やりとりがとってもリアル。

感動を押し付けがちな家族モノや闘病モノってちょっと苦手なのですが、この映画はそれとは別物で。キレイゴトじゃなく、リアルな家族の実情が描かれている。きっかけは母の病気だけど、家族それぞれの再生、成長の話なので。
こういう作品、とても好きです。

登場人物の誰か一人ではなく、それぞれの立場に感情移入しちゃうという稀有な作品。なので、いろんなシーンでいろんな種類の涙と感情があふれました。


前半は八方塞がりすぎて、重苦しさがハンパなくて、鉛を食わされたような絶望感しかなくて……。
母が、家族のことを家族と認識できなくて、彼らに対する本音を目の前で話しちゃうシーン、辛すぎて見てられなかった……。
でも後半、息子二人が覚悟を決めて行動を始めるところからは、兄弟っていいなぁと羨ましく思いました。

他人事ではなく、明日にでも、自分がどの立場にもなり得るリアルさがありました。
朝のテレビ番組での占いのラッキーカラーとかラッキーナンバーとか、こういうさり気ないシーンがすごく良い!

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『セトウツミ』(2016年)

日々の不安やストレスなどでささくれ立った私のココロを、菅田将暉と池松壮亮が癒してくれました。
あ〜、ほっこりほっこり。

セトとウツミ、二人のゆる〜い掛け合い、大好き。
これ、M-1の3回戦は余裕で突破できるレベルの面白さ。
ずーっと、永遠にずーっと観ていられる。

川辺で高校生が二人、どうでもいいことをダラダラ喋ってるだけだけど、言葉選びのセンスがものすごく良くて、ふいにハッとするような真理をついてきたり、青春の機微が描かれていて油断できん!
さらに途中に0話をはさんで二人の出会いを入れてくる構成も巧み。


ついこないだ、菅田将暉が「ダウンタウンなう」のはしご酒に出ていて、ダウンタウンへの手紙を読みながら号泣してるのを見て、私の中で好感度がバク上がりしたんです。お笑いのことをものすごくよく研究していて、それがこの映画にも活きてたなって。間とかテンポとか完璧でしたもん。

はい、そして池松くんね。もおぉぉぉ、どんな役やらせても、うますぎるんだが!!! どうしてくれよう。一瞬で池松ワールドに引き込まれる。
ボソボソと低〜いテンションでサラッと面白いことを言い、なおかつ深いところをついてくるあの感じ、ピースの又吉みたい。
そういえば、『火花』のドラマでは、林遣都がものすごく又吉っぽい漫才師役だったけど、あぁ、なんかまたここで遣都くんと池松くんが繋がっちゃったなぁって一人で勝手に盛り上がる。
映画版の『火花』は観てないけど、こっちは菅田くんでしたね。この三人スゴいな。

『セトウツミ』に林遣都を投入して、さらに私も一緒に混ざってダラダラするという妄想が止まらない。
神妙な面持ちしながら、「ふしがある選手権」したい。
誰もが川辺でヒマをつぶすだけの青春したいふしがあるのだね。

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『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』(2017年)

歌声も見た目も絶妙にズレてる女性のストリートミュージシャンが何度か出てくるんだけど、それがツボで……笑
最初はウザくてさむくて、変なのって感じるんだけど、歌詞が主人公の気持ちとリンクしてるんですよね。可笑しみと悲しみにあふれていて、でも何だかじんわり沁みてくる。

東京の“今”を切り取った、とても等身大でリアルな作品。って思ったけど、私自身、東京を離れて15年くらい経つので、リアルじゃないのかも。東京っぽいなぁというイメージ?
映像表現はちょっと独特ではあるけれど、私はこういうのけっこう好きです。

東京で暮らしていた20代の頃を思い出して、ちょっとキュンとしました。戻りたいような戻りたくないような。
都会で生きることの自由と不安、希望と絶望、あきらめとこだわり。


池松くん、本当にいい演技するわ~。すっごくナチュラルでリアル。
主人公・慎二の、空気を読まずにしゃべりたおしたり黙りこんだりする不安定さに、はじめはザワザワしたけれど、実は物事を深く考えすぎてるがゆえの行動だったりして、そのへんの表現が本当に上手いなぁって。

美香を演じた石橋静河は、この映画で初めて見ましたが、とても雰囲気のある女優さん。石橋凌と原田美枝子の娘なんですね!
最近では、FODとAmazonPrimeで配信されている『東京ラブストーリー』現代版のリカ役で出てますね。

物事を斜めに見てばかりで、冷めすぎたちょっとイヤな女になりかけてる美香。その裏にある、死や孤独への不安や不確定さ。

「愛って言葉を使うと、口から血の匂いがする」みたいなセリフがとても印象的。
軽々しく「愛してる」とか言えちゃう人間って薄っぺらく感じて私も苦手なので、すごく共感しました。
都会の片隅で生きづらさを抱えながら暮らす若者たちを淡々と描いていて、そんなにドラマチックなことが起きるわけでもないけれど、じんわりじんわり沁みました。
好きな人に会うために夜の街を走るって、なんかもう、それ見てるだけで泣けてくる。

「イヤなことはオレが全部、半分にしてやる」
こんな言葉をカッコつけて叫んだりするんじゃなく、自転車に乗りながらサラッと言うところが本当に良い。
池松くんにこんなこと言われたら、悶絶するでしょ。

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更新日:2020/6/18
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