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【第45回】翔んで埼玉(2019年)

♪どこも~かしこも~ みんな~埼玉~

筆者:こしあん
映画・海外ドラマ、読書、お笑い、カメが大好き。特技はイントロクイズ(80年・90年代ソング限定)。
怖がりのくせにホラーとミステリーが大好きで、生まれ変わったらFBI捜査官になりたい。
休日にどれだけ家にこもっていてもまったく苦にならない超インドア派。
ゆるい解説と小学校から上達していないイラスト(ときどき)で、好きな映画を紹介していきます。

翔んで埼玉(2019年)

静岡県民のみなさまは、埼玉県についてどんなイメージをお持ちでしょうか?

暑い、クレヨンしんちゃん、浦和レッズ、西武ライオンズ、小江戸川越、東京のベッドタウン、海がないなんてかわいそう……でもこれらは「言われてみれば」で思い出すイメージではないでしょうか?

たぶん、パッと思い浮かぶのは

「特に何もない」

ではないかと……。


東京の下町(都会指数低め)で生まれ育ち、千葉に移住、また東京(都会指数低め)でウロチョロ……で静岡に来た私の埼玉県のイメージは

「ダサい」

関東の人のイメージは、圧倒的にコレです。「ダ埼玉」!

パンフレットに書いてありましたが、「ダサイタマ」という造語を生み出したのは、タモリなんですね! タモさん、天才。

そんな埼玉への徹底的なディスりで話題を呼んだ、30年以上前の短編マンガを、『テルマエ・ロマエ』の武内英樹監督が実写映画化。
原作は『パタリロ!』の魔夜峰央。
独特な世界観をもつ未完のマンガに、“埼玉の対抗組織・千葉”、“高みの見物・神奈川”、“秘境・群馬”などのオリジナルストーリーを加えた本作。

予告を観た時から絶対おもしろいと思ってましたが、その期待をはるかに超えてきました。
オープニングからエンドロールまで、ずーーーっと笑える。
『カメラを止めるな!』でもかなり笑ったけど、それ以上でした。
ほぼずっと声を出して笑い続けていました。

もう、マンガ原作の実写コメディは、すべてこの武内英樹監督におまかせしましょう!!

常に埼玉のことはちょっと下に見ながら生きていましたが(ゴメンナサイ!)、この映画を観て、初めて、埼玉をうらやましく思ったわ!

愛のあるディスり。そして壮大なドラマ!
キャストも完璧です。宝塚みたいな衣装も豪華でステキ。

笑えるだけじゃなくて、ストーリーも構成もしっかりしてるし、何ならちょっと感動して泣いたし。だってこれ、革命の話ですもん!

郷土愛っていいよねぇ。
都会指数高めの人は、この映画を観て、埼玉および地方都市にちょっと嫉妬しちゃうはず。

冒頭で申したように、私自身、いろんな場所を行ったり来たりしていましたが、住んだ場所それぞれに郷土愛を感じています。

なので、埼玉VS千葉の果てなき闘い、東京&神奈川への羨望、劣等感……いろんな感情が入り混じった複雑な想いもよくわかります。


監督はこのマンガを映画化するにあたり、真っ先に、川を挟んで埼玉と千葉が合戦するシーンが浮かんだそうです。それだけに、このシーン、本当におもしろいし、郷土愛を感じて胸が熱くなってくるんです!

昨日の敵は、今日の友。
ライバルであり、同志。

埼玉に何のイメージもない人も、自分の地域に置き換えて楽しめると思います。

埼玉VS千葉は、静岡VS山梨の富士山をめぐる終わりなき闘いとでも思ってもらえれば……。
あと、県内の市町の小競り合いもありますよね。
詳しくは言いませんので……察してください……(;^ω^)

大真面目にふざける、こういう笑いのセンス、大好きです。
いちいち全部が面白い。

埼玉ポーズかっけーーー!!

ムダにやりたくなる、っていうか、映画観ながらも帰り道も家に帰ってからも、何度もやっちゃったけど。

「西葛西」のくだりでお腹よじれた。昔、近くに住んでいたことがあるので、なんか嬉しかったわ~。西葛西がフューチャーされることなんてあります??
「西葛西って千葉だと思ってたわ!」というセリフがありますが、まさにその通りで、全国的にはそんなイメージでしょうね。一応、東京の東の端です。

あと、シラコバトの踏み絵のシーンが最高に面白くて! 泣きながら笑ったわ。シラコバトのつぶらな瞳がたまらないんです。

そんな小ネタが「イヤイヤ、もうやめて!」ってほど次々と投げられ、そのすべてがツボで。
私の心は今、【さいたま】でいっぱい。
完全に埼玉化している。

映画を観終わった後も、劇中でちょいちょいかかった、さいたまんぞうの「なぜか埼玉」という曲が、脳内でずっとリピートされています。
子どもの頃に、ちらっと流行ったんですよね~。あー、懐かしい。

♪どこも~かしこも~ みんな~埼玉~


更新日:2019/3/13
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