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【Woman's File】RICCI EVERYDAY 仲本千津さん

働く女性の魅力に迫る『Woman's File』。womo4月号掲載の女性をご紹介

仲本千津さんにインタビュー

持つ人がワクワクするアイテムをアフリカから届ける

RICCI EVERYDAY 仲本千津さん

静岡市葵区出身。早稲田大学・一橋大学院卒業後、銀行に就職する。2011年、国際農業NGOに参画し2014年からウガンダに駐在。現地で目にしたアフリカンプリントに惹かれ、バッグやトラベルグッズのブランド「RICCI EVERYDAY」を立ち上げ、企画・製造・販売を開始。その後NGOを退職し、現地法人も設立。本格的に事業を展開し、日本とウガンダを行き来している。


理想論だけで終わらない国際人になりたい

高校生の頃に、日本人で初めて国連難民高等弁務官を務めた緒方貞子さんの活動を知り、私もいつかは国連機関で働きたいと思うようになりました。紛争地の平和構築に興味があったので、大学院ではアフリカの政治を学びました。卒業後に銀行に就職したのは、社会人経験のないまま国際協力活動に参加しても、理想論しか語れないと思ったから。世の中でどのようにお金が回っているかを知ることで、社会の仕組みが学べると考えたんです。銀行では法人営業で中小企業の担当になり、会社の財務だけでなく、経営者の考え方や思いを知る貴重な体験ができました。一方で、大きな組織に属すると、個人の存在は小さいものだと実感しました。就職して2年が経つ頃、東日本大震災があり、「人間はいつ死ぬかわからない。死の間際に後悔しないよう、やりたいことの先延ばしはやめよう」と思い、子どもの頃に目指していた進路、国際協力活動の道に進もうと、銀行の退職を決意しました。そして、国際農業NGOの職員に転職を果たしました。

カラフルなプリント生地にビジネスチャンスを見出だす

アフリカンプリントに出会ったのは、NGOの職員として2年間赴任したウガンダ。休日に出かけたローカルマーケットの生地屋さんの棚はとてもカラフルで、何を作ろうか想像しながら生地を選んでいたら、2時間くらい経っていて(笑)。当初は自分のバッグなどに仕立てていましたが、当時、アフリカンプリントは、日本のファッション市場ではあまり知られない存在。これで作ったアイテムは、持つ人に元気を与えられる、きっとビジネスになると思いました。現地のシングルマザー3人と一緒に立ち上げた工房も、今では19人の大所帯に。ウガンダには生きづらさを感じているシングルマザーが多く、そうしたっ女性の自立をビジネスを通じて実現できているのも嬉しいです。日本では、百貨店の催事やオンラインショップでの販売が中心ですが、近々東京に直営店を開く予定。いずれは洋服も手がけたいですね。ウガンダと日本とは2か月くらいのスパンで行き来していて、長期休暇はないですが、いい意味でオン、オフがない生活で、人生をまるごと楽しめているなぁと思っています。

仲本さんのTurning Point

《26歳》銀行で社会人の基礎を学ぶ

社会の仕組みを知るためにと2年半勤めた銀行では、現在の仕事で必要な資金調達や財務に関する基礎知識も身につけることができた。


《29歳》ウガンダに派遣される

国際農業NGOの仕事でウガンダの首都カンパラに駐在。農業の技術だけでなく、きちんと収益を上げビジネスにするための
ノウハウを伝える。


《29歳》ビジネスパートナーと出会う

グレースはシングルマザー。その堅実な暮らしぶりを知り、アフリカンプリントを素材に、彼女をパートナーとしたビジネス展開を
模索する。


《31歳》ウガンダに現地法人を設立

縫製や革加工の技術を持つスタッフを増員して、日本での需要に対応できる生産体制を整えると同時に、カンパラ市に直営店舗をオープン。

お仕事風景

会社の経営、商品のデザインから生産まで一貫して管理する。スタッフと密にコミュニケーションをとり、サンプルづくりでは細部も入念にチェック。ウガンダは停電が多く、一週間に一度は作業が止まる日があるが、アクシデントも考慮したスケジューリングにも慣れてきたそう。

更新日:2019/3/25
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