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【Woman's File】岩崎蒟蒻店 岩崎 真紗美さん

働く女性の魅力に迫る『Woman's File』。womo9月号掲載の女性をご紹介

岩崎 真紗美さんにインタビュー

岩崎蒟蒻店 岩崎 真紗美さん

焼津市出身。大学でマスコミ科を専攻し、映像制作を学ぶ。卒業後はテレビ静岡に入社。2年半後にADに、3年目に念願のディレクターになり、ローカル番組の制作を手がける。2016年、退職。中小企業経営について学んだ後、2017年7月より実家の『岩崎蒟蒻店』で製造、企画、イベント出店など業務全般に携わる。


家業を知って気づく真に地域に根ざす仕事

学生時代から地域を繋ぐ仕事をしたいと思っていて、テレビ局への就職を決めました。ディレクターとして全国ネットや、有名なタレントさんたちとの番組作りも楽しかったのですが、やはり私がやりたいのは、地域密着でローカル情報を発信することでした。それは、家業の影響が大きかったと思います。子どもながらに、私の家は地域に根ざした商売をしているんだ、という認識がありましたから。ある番組で、実家近くの商店街でロケをしたのですが、たまたま家にも行くことになって。その時に対応していた母の話を聞いて、初めてこんにゃくの製法や、昭和2年に創業した我が家の歴史を知りました。もともと母の代で廃業する予定でしたが、この店をなくしてしまっていいのかと思うようになり、家業を継ぐことが、私が本来やりたかった「地域に根ざした仕事」ができるのではと気づいたんです。母は大反対でした。今でも、心の底から賛成しているかはわかりませんが、一つずつ結果を出していけば、きっと納得してくれると信じて毎日仕事をしています。

本物を伝えていく仲間と食文化の大切さを伝える

母からまず教わったのは、「バタ練り」という伝統製法です。以前こんにゃくに対するアンケート調査を調べたら、味が染みないとか、調理方法がわからないという意見が圧倒的に多かったんです。それで、家のこんにゃくは違うと再認識しました。その美味しさを広く伝えるために、SNSを活用したり、リーフレットを作ってイベントで配ったりしました。特に新規開拓の営業はしていないのですが、おかげさまでたくさんのお客様との出会いに恵まれています。これには、「こだわりの地元食材」を未来に残したいと共に活動している仲間との出会いが大きく影響しています。焼津の「はの字」さん、島田の「ふじ田」さんと昨年から手がけている「シズオカポトフ」も、そうした繋がりから誕生しました。手火山式かつお節を使用した和風ポトフなのですが、「家でも食べたい」という声もあるので、イベント販売だけでなく商品化も検討中です。このように、バタ練りこんにゃくはもちろん、地域で大切に作られている伝統食材を次世代につなぐ活動を今後も続けていきたいです。

岩崎さんのTurning Point

《27歳》テレビ番組の制作が充実

テレビ局のディレクターとして活躍。念願の地域番組も手がけ、地元に根ざした情報を意欲的に届ける。多忙ながらも充実した日々を過ごす。


《33歳》こんにゃく造りの家業を継ぐ

まず学んだのが、基本の「バタ練り」製法。その日の気候が左右する、こんにゃくの奥深い製法の他、業務全般で勉強することの多さにも驚き。


《34歳》シズオカポトフが誕生

食繋がりの人脈で紹介され、焼津の練り物屋、島田の乾物屋とコラボ。開発期間わずか2週間ながら“本物の食”が詰まったローカルフードに。


《35歳》イタリアン×こんにゃく

低カロリー、低糖質のイタリアンのフルコースメニュー。こんにゃくのさまざまな食べ方を提案する新たな挑戦に。今後の商品化も検討中。


お仕事風景

平日の午前中は、母親をはじめベテランの女性職人とともに製造作業。空気を含ませながら練り上げる昔ながらの製法、「バタ練り」で作られたこんにゃくは、味の染みやすさと、弾力のある心地よい歯ごたえが特徴。

更新日:2018/8/20
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