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コラム

編集部が注目するスポットやトレンドなど、女性が気になる地元の楽しみ方をまとめた「コラム」。
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womoシネマ伝道師こしあんの『ぐるぐるシネマ迷宮』 筆者だけの思い出調味料満載の懐かし作品から、あまり共感を得られないようなディープな作品まで、密かな魅力いっぱいのシネマ迷宮へようこそ。出口はたくさんあります。 ライター:こしあん

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【第40回】カメラを止めるな!(2018年)

“笑いながら泣く” ことの気持ちよさ

筆者:こしあん
映画・海外ドラマ、読書、お笑い、カメが大好き。特技はイントロクイズ(80年・90年代ソング限定)。
怖がりのくせにホラーとミステリーが大好きで、生まれ変わったらFBI捜査官になりたい。
休日にどれだけ家にこもっていてもまったく苦にならない超インドア派。
ゆるい解説と小学校から上達していないイラスト(ときどき)で、好きな映画を紹介していきます。


“ポンッ! ポンッ! ポンッ! ” と感染拡大中

東京でしかやらないのかぁと諦めていた『カメラを止めるな!』が、奇跡の全国拡大上映!
予算300万円で制作された、ほぼ無名の役者さんばかりのインディーズ映画。最初はわずか2館でのスタートながら、SNSを中心に話題を呼び、公開から約2か月が過ぎた現在、47都道府県すべてで公開決定、その数184館を突破! そして連日満員御礼!

邦画でこんな現象を巻き起こした作品が今まであったでしょうか。これは映画史を塗り替える歴史的偉業です。
淀川長治も水野晴郎も天国で歓喜していることでしょう。

あんなに客席全体が笑いに包まれ、みんなが「そういうことかー」という納得感とスッキリ感に満たされ、晴れやかな顔で劇場を出て行く作品て、そうそうない。
エンドロールの後、スタンディングオベーションが起こる劇場も少なくないそうで。

そして、笑いながら泣くという感覚の気持ちよさったら!

本当にめちゃくちゃ面白くて元気になれるので、まだ観ていない人は、あまり前情報を入れずに、とにかく観てほしい!
できれば予告編も観ないほうがいいです。

今ここで、このコラムをそっと閉じ、すぐにでも劇場チケットを予約してほしい。

……ってここまで絶賛すると、「ウザッ」ってなったり、話題になりすぎてるから逆に行かないっていう人も多いでしょうが(私もそのタイプなので)、そのモヤモヤ取っ払っちゃってください!

「この結末は絶対に話さないでください」とか「ラスト5分ですべてが覆る」とか「5分に一度、罠がある」とか「あなたは3回ダマされる」とか、そういう “ネタバレ厳禁” 的な謳い文句の映画ってハードル上がりすぎて、逆に「思ったよりたいしたことなかったな」とイマイチな感想をもってしまうという歴史を、我々人類は歩んできたわけです。
しかし、この『カメラを止めるな!』は、牛久大仏くらいのハードルを軽々と飛び越えてきました。それも、ゆる~~~く。


【ここから多少のネタバレを含みつつ進みますのでご注意を】


前半は37分ワンカットのゾンビ映画。これだけでもうスゴイんですけど、内容は素人が撮った自主制作映画のようで、正直そんなに面白くもなく、「?」な違和感やヘンな間がいくつもある。

しかし、それらすべてが巧妙に仕掛けられた罠。

後半ですべてがつながり、畳み掛けるように笑わせ、パズルがピタピタとハマっていく爽快感。そしてさらに、めちゃくちゃだけどガムシャラな大人たちに泣かせられるという感動。

二重三重になった緻密な脚本が素晴らしい。

トラブルにドタバタしながら諦めずにゴールに向かうエネルギー。
監督、役者、スタッフ、みんなで作り上げた本気の映画。パワーをたくさんもらえます。

あの組体操と肩車は泣くよね~。

ゾンビ映画だけど、ぜんぜん怖くないので、安心してください。


当たり前だけど、映画を作るにはこんなにたくさんの人が関わっているんだなぁということを改めて実感し、それは他の仕事やスポーツとか、どんなプロジェクトにも言えることで、すっ転びながら、グチャグチャになりながら一つのことを成し遂げるって、なんかスゴイなぁって思いました。

取引先や上司の理不尽で無茶苦茶な要求に振り回されて、心の中で「クソがッ!」と思いながらも歯を食いしばってにこやかに、「……っわっかりました~」っていう状況になったことが一度でもある人は、きっと泣く。

劇中に出てくるセリフで「早い、安い、質はそこそこ」というのがあるのですが、これ、なんかすごく、私の心をかき乱しました。

メッセージが押し付けがましくなく、あくまでもエンタメに徹しているところが大好きです。だからこそ、素直に響く。


『カメラを止めるな!』を止めるな!

『カメラを止めるな!』がここまで広まったのは、監督、出演者、スタッフの情熱が観客に感染し、【笑いながら泣く】というこの映画の面白さを伝えたい一心でファンたちが、なんとかネタバレしないように語彙力を総動員して熱く語り、その愛が感染拡大したのだと思う。上映後も続く一体感がスゴイ。

劇場を出る時に見ず知らずの人に「面白かったね! すごかったね!!」って言いたくなっちゃうくらいの高揚感。

もっともっと広がってほしい、たくさんの人に観てほしい、映画館で客席がドッと沸く一体感を味わってほしい、そう思える映画です。
パンフレットも面白いのでぜひ読んでほしい。監督の制作日誌を読んで、また泣いています……。


では、最後にまとめ。

『カメラを止めるな!』半端ないって。あいつ半端ないって。
鬼のような伏線回収、全部笑いで畳み掛けてくるし、そのくせ最後は泣かせてくるもん。
そんなんできひんやん、普通。
(……あんなに流行ったこのワード、みんなもう、忘れかけてたでしょ)


■静岡県内の上映館
【静岡東宝会館】
【シネプラザサントムーン】
【TOHOシネマズ ららぽーと磐田】

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■カメラを止めるな!

監督・脚本・編集:上田慎一郎
出演:濱津隆之、真魚、しゅはまはるみ

公式サイト

2018/8/17

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